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執筆者の写真武相動物病院グループ

まずい‼️本当の救急…‼️‼️Part.2

更新日:2023年8月15日




Part.2始まりました✌🏻

前回の私の長話はやめにして、早速ご紹介したいと思います。





8位 アナフィラキシー




コロナ禍でワクチン接種も一般的に行われる中、耳にすることも多い病態ですが、実際にどんなものなのか、どんな時に起こるのか、皆様ご存知ですか❓








アナフィラキシーとは

アレルゲンの摂取に伴う過剰な免疫反応の一種



アレルゲンの原因

  • ワクチン摂取💉(血清に含まれるタンパク質)

  • 薬剤💊(抗菌薬など)

  • ハチ🐝などの毒

  • 花粉や塵など微細な粒子の吸引🪠

  • 食物🍖

など





アナフィラキシーの程度によっては軽度から重度まで様々ですが、人で死亡にまで至る超重症なケースは、薬剤やハチなどが原因のことが多いようです🤔





動物の救急病院でも、頻繁に遭遇するのは軽度で、ワクチンを摂取した後💉が最も多い印象でした。





飼い主様が気づく症状

(身体の外側で起こる異常)


  • ぐったりして立てない

  • 目の周りや口周りが腫れる

  • お腹の皮膚が赤くなる

  • 嘔吐、下痢

など


これらは分かりやすい症状かと思いますが、アナフィラキシーは身体の内側でも異常が起こるため、どの程度のアナフィラキシーなのかを評価するために、各種検査を行います。





身体の内側で起こる異常

  • 口腔粘膜充血もしくは蒼白

  • 虚脱(起立不可能)

  • 頻脈

  • 低血圧

  • 肝酵素上昇

  • 胆嚢浮腫

など




最悪の場合、「ショック」という重篤な状況に陥ります。 







ショックとは

なんらかの原因

(アナフィラキシー、大量出血、重度脱水、敗血症、心疾患、神経異常など)

により低血圧に陥ることで、血流が悪くなり全組織への酸素供給が低下する状態です。





ショック状態は、

⚠️⚠️命の危険が近づいている⚠️⚠️

という、とても重要な身体のサインです。




アナフィラキシーは誰にでも起こり、なおかつ予測ができない病態です。


人では、運動や環境の変化、ストレスなどが悪化要素になると言われているのと同様、今までワクチン摂取で問題なかった子でも、何かしらの要因で突然起こってしまうケースもあるため、注意が必要です。




うちの子は大丈夫😎という先入観は持たず、ワクチン摂取後は特に気をつけましょう。




⚠️アナフィラキシーのポイント

なんらかの症状が認められアナフィラキシーが疑われた場合は、動物病院にて重症度評価を行いつつ、すぐに治療に取りかかる‼️










7位 熱中症




熱中症は心苦しいニュースが毎年取り沙汰され、世間としてもかなり注意深くなっている方が増加しているため、動物でも以前よりは減少傾向にあります。



私が救急病院にいた頃ですが、いくつか遭遇した熱中症の重症患者は、壮絶な経過を遂げていました。



前日まで元気だった子が多臓器不全となり、横たわりながら、苦しそうに高濃度酸素室にいる姿は、やはり飼い主様としてもかなり辛い状況だったと思います。



多臓器不全とは、身体の複数臓器が機能しなくなってしまう状態で



  • 意識レベル低下(脳障害🧠)

  • 不整脈(循環不全🫀)

  • 尿がでない(急性腎障害)

  • 呼吸が苦しい(低酸素に伴う呼吸不全や炎症に伴う上気道閉塞🫁)

  • 重度下痢、血便(消化管障害)

  • 血栓傾向もしくは出血傾向(血液異常🩸)

など


様々な全身症状が認められ、入院下で最大限の治療を施しても、救えないことは稀ではあり

ません。






熱中症を疑う際、私たちがどこで判断しているかというと、「問診」と「体温」です。








熱中症はそもそも、高体温になる状況にいたことが想定される場合に疑う病気であり


  • 冷房の無い部屋や車内(熱い空間)に長時間いた

  • けいれん発作が長時間続いていた(全身運動により高体温になる)

  • 過度な運動をした


などが問診で聴取され



  • 直腸温が40.5度以上



の場合、熱中症が疑われます。





注意が必要なのは

短頭種や大型犬のわんちゃん🐶です。

これらの犬種は、身体から放熱しずらく、頑張って呼吸をしているうちに、喉(特に喉頭領域)が腫れてしまい、炎症を伴う上気道閉塞を起こすことで、呼吸不全が悪化しやすいため、悪循環に陥ります。







まずは熱くなるような環境に置かないことが第一ですが、万が一熱中症を疑う状況になってしまった場合は、身体をゆっくり冷やしましょう🍧



ここではゆっくりというのが大切です❗️

救急の現場では


  • 身体に濡れタオルをかける

  • 扇風機に身体をあてる


を実施していました。



また、呼吸音がする(呼吸と一緒に、ガーッガーッと喉から音がする)場合は、喉を冷やし、急性炎症による上気道閉塞を防ぎましょう🌬


これにより呼吸状態が安定するケースは多く見受けられました。




⚠️熱中症のポイント

🔥身体が熱くなる環境に長時間いた

🔥高体温を確認した

場合はゆっくりと身体や喉を冷やし、動物病院で点滴治療などを受けつつ、臓器障害の重症度確認を行う‼️






6位 発作




動物の発作、と聞いて皆様はどんな状態が思い浮かびますか?



基本的に全身性発作と思われる症状は


突然横たわって倒れ、呼びかけに応じず、口をパクパクさせている


状態に加えて

  1. よだれや泡を吹く

  2. 犬かきのような動作をする

  3. 手足がピーンと突っ張る

  4. 目が揺れている(眼振)

  5. 脱糞、失禁

など


が一般的ですが、1から4の全てに該当する訳ではなく、その子によって、その時によって、発作の症状は変化する可能性があり

部分発作という、顔面や四肢のけいれん

もあります。



突然の発作で上記の状態に遭遇した患者様は、発作中の電話口でもかなり動揺されていました。

何度か経験された患者様でも、発作が止まるまでの間はそわそわと、見ていられないお気持ちになることだと思います。




発作の中でも重症度が高いものが

  • 群発発作 (数秒のも含め1日に2回以上の発作)

  • 重積発作 (5分以上続いている)

といわれています。



原因に関わらず、発作が起こることで脳細胞が壊れ、脳が浮腫んだり、脳圧が上がってしまうことでそのまま亡くなってしまうこともある、怖い病態です。




また、発作が起こった結果


  • 循環不全🫀(発作中は頻脈になるため、十分な血液を送ることができない)

  • 多臓器不全(血液の不足により機能が低下)

  • 誤嚥性肺炎🫁(唾液の誤嚥)

  • ぐるぐると歩き回る徘徊🐕(頭はまだ興奮状態で、発作は続いている)



に陥ることがあるため、発作が起こってしまった際に確認すべきは




🚨原因

🚨発作後の状態

です。




原因ですが大きく分けて

  • 頭蓋内疾患(腫瘍、血栓、炎症など)

  • それ以外




と分かれており、当院のような一次診療では

それ以外について、各種検査🩺を行うことで、ある程度の精査ができます。



治療法は原因によって異なるため、それに応じた治療を行います。

頭蓋内疾患の可能性が最も高くなった場合は、MRI検査を行ない、より精密な精査を行います。







発作が起こってしまった際に、ご自宅でもできることがいくつかあるので、まずはそちらをご紹介します。





  1. 発作が確認され、よだれが大量にでている場合はこまめに拭く

  2. 鎮静剤を使用する(お尻もしくは鼻腔内)






また、発作と似た症状で

  • 突然倒れ、立てなくなる

  • 突然倒れ、意識がなくなる(全身のけいれんやよだれはない)

などは、別病態のこともあります。





⚠️発作のポイント

よだれを拭く、鎮静剤を使用するなど、お家でできることを行いつつ、可能であれば発作の持続時間をざっくりと測定、動画を撮影する。発作の原因を精査し、治療を行うと同時に、全身状態を確認する‼️






もう一つ病気をご紹介しようかと思いましたが、なんだか読んでるだけで疲れてきてしまう内容ですよね🥲



次回はPart.3 ですが



5位 腹腔内出血(脾臓腫瘍や肝臓腫瘍など)



4位 敗血症



3位 尿道閉塞



を予定しています🤔

3位が尿道閉塞⁉️と意外な結果ですが…



そうなんです…

尿道閉塞の発症は急性で、若齢でも起こり得る病態ですが、命に関わる危険がいくつか潜んでいるんです…💦



気になる方は、ぜひPart3までお付き合いいただければと思います‼️

Part.4で完結予定です😂

大ボリューム😂😂😂



ただ、救急な病気を知っているのと知っていないのでは、気持ちの面ではかなりの差です。



そんな状況に直面した時は、いつでも当院へご連絡ください。

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